air レビュー 「人が感動する仕組みを学べるアニメ」

 ※ネタバレ注意

 

「感動できる音楽が流れていれば、起こっている現象の意味が分からなくても人は感動してしまう。」という学びを与えてくれた作品。

 

目次

 

放映時期

 

2005年冬(1クール)

 

見始めたきっかけ

 

クラナド見る前に、せっかくだから1クールのこの作品を見ておこうと思ったから。

 

推しキャラ

 

ソラ。往人がなぜか、「ソラ」という名のカラスに生まれ変わっていた。美鈴は、自由に空を飛べるカラスに希望を託して「ソラ」という名前を与えたのだろうか。鳥は鳥でも、なぜカラスなのだろう。往人が呪われた存在であることを、わかりやすく表現するためにカラスにしたと俺は思う。

 

レビュー&採点

 

・作画(キャラデザインも含む) 15点

・音楽(BGM、op、ed、挿入歌、se) 25点

・ストーリー(話数の配分等の構成、話の面白さ、脚本、展開) 30点

・人物(登場人物にどれくらい魅力があるか) 20点

・独自性(世界観や提示される概念など、何らかのオリジナリティがあるか) 30点

・メッセージ性(制作陣は作品を通して何を伝えたかったのか) 20点

 

作画

 

12点/15点

 

さすが京アニ。10年以上前のアニメなのに、絵がめちゃくちゃ綺麗である。我々が持っている日本の夏のイメージを、美麗なグラフィックで魅せてくれる。 ただ、キャラデザインがどうも受け付け難い。どのキャラも、横長の顔に垂れ気味かつ不自然に大きい目で描かれている。どのキャラも似たように見えるのは良いとして、実際の人間から余りにも掛け離れた顔グラには視聴意欲を奪われた。

 

音楽

 

22点/25点

 

本作品視聴前から「夏影」の素晴らしさは、松岡修造のお米食べろ動画等で充分わかっていたつもりだった。しかし、本編の何でもない場面で突然流れてくる「夏影」の素晴らしさには驚いた。今までの「夏影」という概念がことごとく壊れていくのを感じた。

 

聞いているだけで感動して涙が出てしまう曲も多く、感動的な場面における音楽の重要性を思い知らせてくれた。

 

ストーリー

 

12点/30点

 

原作のエロゲー未プレイだと、理解不能な場面が多い。原作のゲーム未プレイで、往人がカラスになった理由や最後の場面の意味を論理的に説明できたら相当頭良いはず。

 

シリアス以外の日常パートやギャグパートが非常につまらない点も考慮し、この点数を付けた。

 

人物

 

8点/20点

 

登場人物は皆、善人だとは思う。それ以外の何らかの特別な魅力を感じることは、俺には出来なかった。登場する美少女キャラは、妙な語尾をつけて喋ったり、ドジっ子だったり、頭が悪かったりと明らかにオタク好みにデフォルメされていた。制作者の考えるオタク像が垣間見え、なんとも気分が悪い。

 

独自性

 

21点/30点

  

日本の夏を、これほどまでに高クオリティの作画や音楽で表現した作品は珍しいと思う。「夏影」や「鳥の詩」といった国歌レベルの曲が2曲も流れる作品は、この作品くらいだろう。ただ、かつてのテンプレートに沿った美少女キャラが多数登場するのはマイナス。

 

メッセージ性

 

10点/20点

 

制作者がどんなメッセージを伝えたかったのか、俺には分からない。しかし、相当強烈なメッセージが込められているようには思える。

 

総評

 

61点。思ったより低い点数が出た。最初の1、2話は見るのが苦痛だったが、次第に面白くなっていき、最後の方でまた見るのが苦痛になった。作画や音楽は非常に良かったが、全体的に面白味が欠けていたように思う。往年の美少女アニメである本作品を見ていると、自分がダメなオタクニートになったような気分に陥った。嫌な気分ではあるが、どこか心地よくもあり、改めて己がオタクであることを確認した作品でもあった。

 

人が感動する理由の考察。

 

人は、どういう場面で感動するのだろう。誰かの死や、不可能と思われたことを誰かが達成したことによって感動するのは分かりやすい。

 

しかし、その場面で何が起こっているのか今ひとつ分からなくても、人は感動してしまうことがある。なぜか。感動的な音楽がBGMとして流れていたからだ。ストーリーや登場人物の心情を理解するには多少なりとも頭を使うが、ボーッとしていても音楽は聞こえてくる。音楽はよりプリミティブに感動を演出できるため、感動的な場面で何が起こっているのか理解できていないゲーム未プレイ者でさえ感動してしまうのである。

 

余談。ゲーム未プレイ者でも感動できるがゆえに、本作品は人気になったと思われる。