さよなら絶望先生 9話 感想&考察

前回のまとめと言いながら、新井先生がM男どもを罵るシーンだけ取り上げている。ある意味、まとめにはなっている。

 

前半は間違い探し。校舎のマエダックスは、今回は不機嫌だった。「間違い探しの間違いは、正解。ならば、間違いは発覚すれば、正解。」詭弁ではあるが、キリスト教の懺悔に通じる発想ではある。

 

後半。絶望先生が、珍しく難しい数式を黒板に書いていた。

 

生徒に自分が自分であることを証明させるが、いざ絶望先生自身を証明しようとしたら、「絶望先生はそんなこと言いません」とカフカに言われ、生徒それぞれの絶望先生像を勝手に披露される。結果、絶望先生は自分がわからなくなってしまった。むしろ、それぞれの生徒が絶望先生という多面体のごく一部を切り取って、その欠片を絶望先生と思い込んでいるのが正解に近いと思われる。絶望先生という多面体の全容は、もしかしたら原作者にも分からないのかもしれない。

 

偽物の方が本物の情報をより知っている、というセリフが自己の証明の不可能を示唆している。自分が何者であるかは、哲学者でも悶えるほど難しい質問である。

 

今回は、キリスト教の懺悔、自分が何者であるかという問い、非常にアカデミックな回だった。こういう回があるからこそ、高学歴者にも支持されるアニメなのだろう。

 

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