テニスの王子様 レビュー 「もはやアラサー世代の共通言語」
テニスの強豪青春学園が、全国大会目指して数多の強豪校と死闘を繰り広げる。多種多様なイケメンが登場し、女性人気が高い。
目次
放映時期
2001年秋〜2005年冬(14クール)
見始めたきっかけ
他にもテレビ東京系のアニメは多数見ていたため、流れで見始めた。
推しキャラ
不二周助。飄々としているが、めちゃくちゃ強いところが良い。たまに目を見開く2面性も、中学生当時の自分には魅力的だったのだろう。
レビュー&採点
・作画(キャラデザインも含む) 15点
・音楽(BGM、op、ed、挿入歌、se) 25点
・ストーリー(話数の配分等の構成、話の面白さ、脚本、展開) 30点
・人物(登場人物にどれくらい魅力があるか) 20点
・独自性(世界観や提示される概念など、何らかのオリジナリティがあるか) 30点
・メッセージ性(制作陣は作品を通して何を伝えたかったのか) 20点
作画
10点/15点
シャープな線で描かれた美麗なイケメンが多数登場するため、キャラデザインが優れている。背景やその他作画も、15年くらい前のアニメとしては割と綺麗だったと思う。
音楽
18点/25点
オープニング曲が素晴らしかった。特に、2曲目のDriving Myselfや5曲目のFLY HIGHはビデオテープのすり切れが心配されるほど聴き返した。試合の展開ごとに変わるBGMも、熱闘を盛り上げる効果を果たしていた。
ストーリー
23点/30点
基本的に、主人公のいる青春学園が数々の強豪を倒して勝ち上がっていく王道のストーリーである。青春学園の面々だけでなく、対戦校の人物についても人となりや心理、人物同士の関係や過去の出来事までしっかりと描写されている。テニスは勿論、人物描写にも時間を割いているため、1試合の重みが格段に増し重厚なストーリーになっている。
人物
20点/20点
あれだけたくさんのイケメンを、それぞれの個性を際立たせながら登場させるのは凄い。14クールあるため、各人物の過去エピソードや心理描写を通して人物を深く掘り下げられたのも高評価。
独自性
24点/30点
僕が中学生の時に流行っていたアニメだったので、普通なら内容を忘れていてもおかしくはない。しかし、未だに大体のストーリーや結構な数の登場人物 を覚えている(山吹中の何をされても怒らないコーチや芥川まで覚えている)くらいだから、視聴者の記憶に残るという意味で異彩を放っている。
越前リョーマの「まだまだだね。」というセリフは、厨二心をくすぐる大変優れた発明であった。登場する選手がそれぞれ格好いい必殺技(現実でもギリギリ使えそう)を繰り出すのもこのアニメならでは。
また、多数の個性豊かなイケメンが登場し、腐女子向けアニメの先駆者となった点も記憶に新しい。
メッセージ性
15点/20点
特に、視聴者に対して制作陣が伝えたいメッセージらしきものは感じられない。しかし、この作品以降イケメンが多数登場するアニメが数多制作されたことを思えば、制作者向けに「イケメンをたくさん出せば売れるぞ。」という強烈なメッセージは放てていたと思う。
総評
79点。全体的に大きな穴はなく、テニスの試合やキャラの成長がよく描かれていた。キャラも面白いし、エンタメとしては良く出来ている。ストーリーが王道で若干ありきたりな点、そこまで深いメッセージが感じられない点はマイナス。放映開始から15年以上経つのに、未だに細かなエピソードまで覚えているアニメではあり、思い返してみると結構思い出深い。
流行った理由の考察
中学時代の同級生の過半数は見ていただろう。非オタの木村君(仮名)でさえ、「まだまだだね」を口癖のように繰り返していたくらい。また、大学時代のサークルにいたオタクの先輩たちもしばしば、テニスの王子様で盛り上がっていた。
なぜここまで流行ったのか、主に4つの理由があると思われる。
1、「まだまだだね」を始めとする決めセリフ
小中学生の間で流行するアニメやドラマはだいたい、かっこよくて分かり易い決めセリフがあるもんだ。俺の世代だと「スリーピース」でお馴染みの「人にやさしく」、少し前だと「倍返しだ」でお馴染みの「半沢直樹」。本作品では主人公越前リョーマの「まだまだだね」が当てはまる。汎用性が高く、優越感に浸れる上、このセリフを聞くとなぜか爽快感を感じる。
2、わかりやすさ
主人公越前リョーマのいる青春学園が全国大会に向けて猛練習に明け暮れ、試合では強豪と死闘を繰り広げる、という分かり易いストーリーは当然要因である。
3、かっこいい必殺技
越前リョーマの「ツイストサーブ」や桃城武の「ダンクスマッシュ」といった、かっこよくて語呂も良くて分かり易い必殺技が多数登場することも人気の理由の一つだろう。各必殺技の存在が各キャラクターの個性を際立たせ、視聴者の脳裏に焼き付ける効果を果たしている。
4、数多の個性豊かなイケメン
何と言っても、これが最大の理由であろう。あらゆる趣味趣向に沿ったイケメンが用意され、どんな者でも好きなキャラが出来るのは強い。15年以上前に見たはずの俺でさえ、何人もの登場人物を瞬時に思い出せるくらいだから、キャラの魅力は桁違いでしょう。テニスの王子様はキャラで持っているアニメと言ってもいいくらい。