俗・さよなら絶望先生 13話 感想&考察

最終回にして、今までになく残酷かつ斬新な描写が際立っていた。

 

【鎌倉妙本寺解雇】鬼は外とばかりに追い出された者たちが、野良鬼となり街中を彷徨っているというホラー回。野良鬼になった者全員に毛が生えていたり、飼うという言い方が使われていたり、解雇された途端絶望先生に毛が生えたり、人間が野良犬扱いされていた。こんなエキセントリックな題材を最終回最初の話に持ってくるあたり、やはり新房監督はチャレンジャーである。やがて保健所に行くという点まで、野良犬のリアルが人間に反映されている。絶望先生が稚内まで転任したりしかも生徒がそのまま付いてきたり、南極まで生徒たちが来てたりする様を、糸色交と霧は茶の間のテレビで見ていた。同様のメタ表現は、エクセルサーガや本作品でも用いられた。

 

【大導寺信輔の音声】落語に始まり、落語に終わる話。メルの父はメルに声を与えようとオーディションを開催する。初音ミクや野沢雅子、マエダックスまで登場した。メルが誘拐された時、影郎が声を当てていたためメルは助かる。しかし、影郎の存在は歴史から消されてしまった。野良鬼同様、残酷なリアルが感じられる描写である。最後の落語では「アニメ化怖い。嘘だろw本当に怖いのは二期でございます。」と述べ、原作者のかつての心境を表現していた。

 

【あにいもうと という前提で】なんでも前提がある社会に絶望する話。この作品自体、前作という前提があるのですがw最後は仲間になる前提で敵が出てきて使い捨てられて終了。最後は少年漫画のお約束で締めるあたり、本作品としては新鮮だ。最後のオチは、みんなで絶望して終わり。本作品の最終回は、本作品らしく非常にネガティブに締めくくられた。

 

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