懺・さよなら絶望先生 11話 レビュー 

視聴者の意見を取り入れすぎだろ、と感じさせる回だったが、実はそう思い込ませる仕掛けだったりして。

 

今回の前回までのあらすじは比較的わかりやすかった。。司馬遼太郎が日本の幕末以降の歴史を作ってきた、という主張は比較的正しいように思う。

 

【眼鏡子の家】

 

我々日本人は、その時代ごとに異なる色眼鏡をかけてきた、という話。「現代に近づくほど色眼鏡の色が濃くなるすなわち偏見が強くなるのは、情報量が多くなったから」という趣旨の可符香のセリフは、優れた現代批判である。色眼鏡を外し、明らかにゲイと思われる男性を拒絶せず一緒にホテルに行く絶望先生は、腐女子の要望を反映した結果だろうか。色眼鏡をかけた絶望先生が鏡を見て「教師ってみんな左翼なんでしょ、みーんな」と言ったのがオチ。自虐ではあるが絶望先生の持つ偏見が具現化しただけとも言えるセリフだ。教師を左翼に染めてきた日教組を皮肉る趣旨もあるのだろう。

 

【閉門ノススメ】

 

また新たな続き物。前回のフランスを闊歩するマエダックスが不評だったから、急遽新しいネタを用意したのだろうか。一つ目のネタの絶望先生とゲイのように、視聴者の意見を反映した模様。

 

千里が一時間後も自宅に居ろ、と奈美と倫に謎の脅迫をする。千里の機嫌を損ねず自己の欲求を解消するため、倫はラーメン屋までの家をことごとく買収した。もちろん奈美の家も。自宅軟禁の対抗策として、自宅の範囲を広げるというのは画期的なアイデアだと思う。この作品で目からうろこが落ちたのは久しぶりだ。

 

【学者アゲアシトリの見た着物】

 

わざと揚げ足を取らせる輩が多いよね、という話。次々と揚げ足に突っ込む絶望先生だが、揚げ足とったら負け、むしろ取ってあげるのが優しさ、とストーリーは二転三転する。日教組批判の中山成彬が皮肉られていたのは、この作品が政治的に中立であると訴える意図だろうか。土砂加持法まで登場するあたり、原作者の仏教の知識は相当ある模様。

 

 

新コーナー週間絶望先生批評が今回であっさり打ち切られていたのは草。ここにも、視聴者の意見を取り入れた形跡があった。

 

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