ひぐらしのなく頃に解　レビュー　「運命」 - アラサー社会不適合者が淡々とアニメレビューする

※ネタバレ注意

日本のアニメでもかなり上位に入るだろう。やはり面白い。

レビュー&採点
作画
音楽
ストーリー
人物
独自性
メッセージ性
総評
ひぐらしのなく頃に解が見れるサービスまとめ

レビュー&採点

・作画（キャラデザインも含む）　１５点

・音楽（BGM、op、ed、挿入歌、se）　２５点

・ストーリー（話数の配分等の構成、話の面白さ、脚本、展開）　３０点

・人物（登場人物にどれくらい魅力があるか）　２０点

・独自性（世界観や提示される概念など、何らかのオリジナリティがあるか）　３０点

・メッセージ性（制作陣は作品を通して何を伝えたかったのか）　２０点

作画

１２点／１５点

前作同様、日本の美しい自然が描かれている。

音楽

２３点／２５点

音楽はかの有名な川井憲次が担当している。ミステリアスな旋律は、視聴者を無意識のうちにストーリーに引き込む仕掛けの一つとして機能していた。運命に抗う強烈な思いを歌ったオープニング曲は名曲。

ストーリー

３０点／３０点

前作では何が起こるか予測不能な展開と猟奇的描写が面白かった。今作では一転して、皆が協力して絶望的な状況を覆していく熱い展開が面白かった。話全体の構成が非常によく考えられている。

絶望的な状況においても圭一は「けじめ」を受ける覚悟を示し、梨花は記憶を痛みによって魂に刻みつけるため解剖に同意、梨花と羽入は傍観者をやめた。各キャラの覚悟がかっこよかった。黒幕と判明してから鷹野の壮絶な過去が描かれたため、鷹野に感情移入させられてしまったのは巧み。更に、梨花と同じく「強固な意志で運命を変える」と決意していたのが面白い。敵もまた強固な決意を持ち必死で戦っている。実に熱い展開だった。鷹野にも同情させ、梨花たちに感情移入していた視聴者にアンビバレントな感情を惹起、最後は鷹野も救われるというラストはカタルシスが半端なかった。

終盤は頭脳戦でも魅せてくれた。梨花が死んだふりしたり、詩音や葛西が気絶したふりして反撃したり、作業服に扮していた赤坂の奇襲で小此木が撤退したり、小此木の無線に山の神様を名乗ってビビらせたり。

魅音たちがいつもやっていたじじ抜きがまさかの伏線となっていたのは脱帽した。一枚カードを足せば、敗者はいなくなる。残りの一枚を各自の決意と行動で埋め皆で奇跡を起こし、梨花が千年の旅を経て得た教訓「敗者のいない世界」を実現したラストは感動的だった。富竹の鷹野への愛も感動した。日めくりカレンダーが7月1日だった演出も良かった。終わらぬループを切り抜けた何よりの証明に、余計なセリフは不要だ。

２４話Cパートでは、鷹野親子が無事で悲劇が回避されるルートが描かれた。梨花らしき人物が登場していたが、このルートでの梨花は本編の梨花とは全く別の人物だろう。大団円で終わると思いきや、最後の最後で考察しがいのあるネタを提供してくれたシリーズ構成に拍手を送りたい。

雛見沢症候群の真相が明かされなかったが、独特の余韻を残す意味では良かったと思う。