懺・さよなら絶望先生 レビュー 「その真面目さが命取り」
※ネタバレ注意
もっとふざけて作られるべきだった作品。
目次
レビュー&採点
・作画（キャラデザインも含む） １５点
・音楽（BGM、op、ed、挿入歌、se） ２５点
・ストーリー（話数の配分等の構成、話の面白さ、脚本、展開） ３０点
・人物（登場人物にどれくらい魅力があるか） ２０点
・独自性（世界観や提示される概念など、何らかのオリジナリティがあるか） ３０点
・メッセージ性（制作陣は作品を通して何を伝えたかったのか） ２０点
作画
１２点／１５点
無機質でありながらどこか懐かしさを感じさせる独特な作画は健在。今作は前作に比べ残虐な絵は控えめだが、シュールな絵が大幅に増えていた。５話のラストカットにひっそり兄羽不動産が映っている等、視聴者の目に入り難い部分までこだわっているのは流石である。
音楽
１５点／２５点
今回のオープニング曲も、あれはあれで良かった。今までのシリーズと同じBGMが多用されているが、新曲もあった。
ストーリー
２１点／３０点
本作から新たな試みが多数実施されているのだが、前作よりつまらなくなった印象である。一番面白かったのが「絶望先生えかきうた」だった回も多かった。よりシュールにしようとして、狙いが滑ったのだろう。
ただ、一番の理由は校舎の時計からマエダックスを撤去したことである。
スタッフの遊び心の象徴である校舎の時計のマエダックスを撤去し、真面目に制作したのがアカンかった。
マリア太郎などのキャラの特性を生かしたオチが増えたが、起承転結や伏線を今まで通り意識すべきだった。また、これまで以上に制作スタッフが視聴者の目線を意識するようになっており、やたらと視聴者の意見を取り入れた描写が増えたように感じる。【ジェレミーとドラコンの卵パート2】のオチの不評を受け新シリーズを始めたと思われるところはその最たるものだ。１１話では視聴者の意見に振り回されていた。その反省を受けた１２話ではSFやったり、ミサイルの周りを皆が踊ったり、買収した土地が２倍で売れたり、スタッフの自由な発想が前面に出ていて面白かった。
人物
１５点／２０点
またしても新キャラの大浦さん、丸井さんが登場。今作では、霧が秘めたる冷酷さを露わにしており新鮮。マリア太郎がオチで登場しまくったのは個人的に嬉しい。
独自性
２５点／３０点
あまりにも真面目に制作しすぎたり、視聴者の意見を取り入れすぎたりしたせいで、凡庸な作品になってしまった印象がある。ただ、１２話は今までで最も独創的で面白かった。
メッセージ性
１６点／２０点
今作では日教組批判をやたらと前面に押し出していた。真面目に作ろうという姿勢は伝わってきた。
総評
６６点
今まで以上にふざけて作っていれば、シリーズ最高の作品になったであろうに。
