懺・さよなら絶望先生 3話 レビュー 

冒頭の小噺では、「修行するぞ。」「大殺界は天中殺のパクリ。」「黒塗りの自動車に激突。」とやばいネタで話が構成されていた。相変わらず、怖いもの知らずである。

  

【×の悲劇】

 

可符香が地下室のスイッチを押すたび、地上の人々にスイッチが入り行動も大きく変わった。奈美は、自分がスイッチを押したせいだと思い込んでいるが、実際は奈美のあずかり知らぬところでスイッチが押されたのが原因だった。原因は我々の想像もできぬところにある、という知見を視聴者に授ける話である。

 

【私は日本には帰りませんそういう決心をできませんでした】

 

異なる二つの選択肢で迷っていたのに、なぜかもう一つの微妙な選択肢を選ぶことってあるよねという話。漫画大賞が揶揄されている場面もあった。漫画原作のアニメにおいて、タブーともいえるネタをぶっこめるのがこの作品の強さである。オチは、千里が第三の選択で血まみれの包丁を選んでいた、というもの。千里の残虐さは相変わらずである。千里が、自分につけられる可能性もあった「未来来」という名前を気に入っている場面もあった。両親が思い切って「未来来」を選んでいれば、千里の人格も多いに違っていただろう。名付けの重要性を思い知らされる一幕だった。ここから余談。校舎の時計だが、今作ではマエダックスが撤去されていた。今作からは真面目に製作します、という宣言なのか。

 

【ドクトル・カホゴ】

 

晒しが丘シリーズの続編。絶望先生の影武者が、マ太郎らしきスナイパーに撃たれた。それを見て絶望先生が「影武者は5人必要だ。」と述べたのは、絶望先生が生き残りたいと願うようになったからだろう。ここしばらく自殺したい発言が途絶えたことも考えると、絶望先生の心境に何か変化があったと推測される。政府のニート支援予算が「過保護」と揶揄された背景には、個人の問題と社会問題を一緒にするなというイデオロギーが見え隠れする。オチは、ささいなフレーズが著作権違反と指摘されるシーンだった。行きすぎた著作権警察の活動が皮肉られている。

 

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